タンクバッジに関する豆知識

一見シンプルなフューエルタンクの装飾品には意外なほど複雑な歴史があります。

Harley-Davidson®を有名にしたあのタンク形状を知ってからというもの、私たちはそれを愛するようになりました。初期のストラップタンク、現在では有名なFat Bob®タンク、Sportster®タンクの「ピーナッツ」と「タートル」のバリエーションなどは、モーターサイクルの中でも最も影響力のあるモデルの印象的なプロフィールとフォルムに貢献しています。

ハーレーダビッドソンのそばを通り過ぎる時、誰もがそのモーターサイクルがハーレーダビッドソンであると一目で見分けられます。フューエルタンク以上にこのブランドを宣伝するのに適した場所はありません。エンブレムデザインの中には、タンクそのものと同じほど象徴的だと感じたものもあるのではないでしょうか。ここでは、MoCoが使用してきたタンクバッジについて、いくつかの事実をご紹介します。

  • 最初の金属製タンクエンブレムは1940年に使われ、ティアドロップの形をしていました。このエンブレム(1941年にステンレスのトリムが追加された)は非常に人気があり、1946年まで同じものがハーレーのBig Twinsを飾っていました。しかし、第二次世界大戦の影響で生産台数が減少したため、現在ではほとんど見かけなくなりました。

  • 1972年から、ハーレーダビッドソンのネームプレートに「AMF」のロゴが入るようになりました。ハーレーダビッドソンの経営権を購入したアメリカン・マシーン・アンド・ファウンドリー(AMF)でしたが、ハーレーダビッドソンブランドへの管理能力が低いとみなされ、ライダーが不快感を表すためにバッジを取り外したり交換したり、逆さにしたりすることが流行りました。

  • 初期のHarley®モデルでは、タンクメダリオン用のマウントは、実際には燃料タンクにスポット溶接されていました。マウントは定期的に変更されていたため、溶接されたマウントのスタイルによって、フューエルタンク がモーターサイクルから取り外されたとしても、その年代を特定できたのです。

  • ウィスコンシン州ミルウォーキーにあるハーレーダビッドソンのミュージアムには「Wall of Tanks(タンクの壁)」が設けられています。ペイントされ、バフで磨き上げられ、取り付けられたうえで照明に照らされた多くのタンクが展示されています。歴史を学び、生産された年にショールームで見られたであろうタンクのレイアウトを見るには絶好の場所です。

  • 1952年半ばから1954年までのエンブレムは、ステンレス製です。真鍮製のエンブレムには銅が含まれており、朝鮮戦争に備えて銅が備蓄されることになったので生産が中止されました。
  • 1957年、MoCoは初めてプラスチック製のエンブレムを採用しました。1957年のラウンデルは赤、白、金のモチーフを使用し、1958年にはその配色が黒、銀、金に変更されました。

  • ハーレーダビッドソンがエンブレムを取り付けなかったタンクもいくつかあり、そのような要望を出した顧客のひとつがアメリカ政府でした。軍用のタンクは、タンクトリムなどの付加的な装飾にかかるコストを削減するため、装飾を施さないものとなっており、警察関係のユーザーも、多くの部署が警察用バイクの独自のペイントスキームを持っていたため、同様の要求が課せられました。ハーレーダビッドソンはこのような特別な注文に応じ、バッジマウントのないタンクを供給しました。

  • ハーレーは1955年、エンジンレイアウトを彷彿とさせる「V」が目立つデザインのタンクバッジ(かなり巨大です!)を発表しました。この発表は、Dealer News Bulletinでいささか興奮気味に販売ネットワークに説明されました。MoCoは、このVが「あらゆるデザインに対して大きな優位性を発揮し、今日、V型こそが自動車業界で究極のものと見なされるのだ」と述べています。

  • デザインによっては異なるバッジの部品番号が存在する場合があります。バッジには「向き」があるため、正しい側に取り付ける必要があるという訳です。

  • バッジの中には、共通のニックネームがあるものもあります。1947~1950年のバッジは通常「スピードボール」と呼ばれるのに対し、1961~1962年のネームプレートは通常「ガンサイト」バッジと呼ばれます。
  • ハーレーダビッドソンは、1940~1950年モデルのエンブレムマウントをタンクとは別に販売していました。多くのライダーが、自分のモーターサイクルを最新のスタイルに合わせるため、外観をリフレッシュさせました。多くの場合、初期のタンクには後付けのエンブレムマウントを付けて最新のエンブレムを取り付ける訳ですが、中には新型のタンクに旧型のマウントを取り付けるということもあり、タンクの外観のカスタマイズは決して今に始まったものではないのです。実際、ハーレーダビッドソンはそれを承知で、ライダーが溶接や塗装をする必要がないように、粘着マウント付きで販売されているタンクバッジやエンブレムマウントを今でも提供しています。もし古いメダリオンデザインが目に留まるなら、現代のモーターサイクルにすぐに取り付けることだってできるのです。

  • 1947~1950年のスピードボールのエンブレムは、かなり有名な自動車デザイナーであるブルックス・スティーブンスによって作られました。彼の他の作品には、ミラー(ビール会社)の「ソフトクロス」のロゴ、ジープ・ワゴニア、1949年ハイドラグライドのフロントサスペンションとナセルの肉厚で流線型のデザインなどがあります。

  • ハーレーダビッドソンのタンクバッジは、エンブレムの前端が後端より高い位置にあるため、「水平」に取り付けられてはいません。

ハーレーダビッドソンは長年にわたり、フューエルタンクの側面にある大きなスペースを有効活用するために、さまざまな工夫をしてきました。今度、タンクバッジが目に入ったら、ここで読んだことを少し思い出してみてください。


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