ディーラーを出てハイウェイへ
ミスター・アニバーサリーがRoad Glide™で6カ国を走破
文:ダト・アナンド
クアラルンプールにあるディーラーRoute 77 Harley-Davidson®に、大きな存在感を放つバイクに乗ったダト・アナンドが現れました。コミュニティ内で「ミスター・アニバーサリー」の愛称で親しまれる彼は、自分の足以上にホイールを知り尽くした男の身軽さで、ゴージャスなマルーン色の120th Anniversary Road Glide™ Specialから降り立ちました。実は彼、新車のハーレーダビッドソンをディーラーから引き取ったその日に、6カ国7,900 kmに及ぶ過酷なライディングを敢行したのです。このような偉業を成し遂げたのは、世界でもおそらく彼だけでしょう。
2023年4月15日、ダト・アナンドはライダー仲間のサンジェイとともに、Route 77 Harley-Davidsonを出発すると、タイに向かって北上し、国境を越え、ミャンマー、ラオス、カンボジアを走り抜け、最終的にベトナムに到達しました。彼らは20日間毎日、夜明け前から午後までバイクに乗り続け、1日の平均走行距離は約400 kmに達しました。
「バイクが持ち堪えられるのはわかってたよ。何と言ってもハーレーだからね。ただ、何か違うことをしてみたかったのさ」とダト・アナンドは話します。


伝説の誕生
ダト・アナンドは年端もいかない頃から、ハーレーダビッドソンのバイクのポスターを壁に貼って眺めるような少年でした。古いハリウッド映画で目にした大きな金属製の馬を手なずけ、自分のものにすることを夢見て育ちました。
そして2008年、彼は念願を叶え、Harley-Davidson 105THAnniversary Street Glide™を我が家に迎えました。この日、彼とアニバーサリーモデルとの深いつながりが始まったのです。ダト・アナンドはその場で、5年ごとに新しいモデルを購入し、自分だけのコレクションを作ろうと心に決めました。
2023年の現在、彼は2013年の110TH Anniversary Road King™、2018年の115th Anniversary CVO™ Limited、そして最近コレクションに追加された2023年の120TH Anniversary Road Glide Specialを含め、全部で4台のアニバーサリーモデルを所有しています。彼の愛称が「ミスター・アニバーサリー」であるのもうなずけます。これらのバイクは、彼の自宅でまるでショールームのように誇らしげに飾られています。
「アニバーサリーごとにロゴが違うんだ。ワッペンも持ってるし、タトゥーも入れてるよ。米国には私が所有しているアニバーサリーモデルのシリアルナンバーがすべて記録されているんだ」前腕の大きな110th Anniversary Road Kingタトゥーを見せながら、そう話してくれました。
彼は所有するマシン1台1台に愛着を持ち、そのエンジンの純粋な力強さと低音のポテトサウンドを愛し、マシンから伝わる感覚を愛し、そして何より、ライドをこよなく愛しています。
よく晴れた土曜日、ダト・アナンドはオドメーターわずか15 kmでRoute 77 Harley-Davidsonの敷地を出て、マレーシアの道路で初めて人の目に触れる120th Anniversary Road Glide Specialとともに、ゆったりと北上を始めました。途中、ペナンのハーレーダビッドソンに立ち寄り、友人たちに伝説のバイクを披露し、旅を続けました。マレーシアを出発して3日目には、1,501 kmを走ったRoad Glideの初整備のために、タイのバンコクにあるハーレーダビッドソンでマシンを停めました。「1501」は偶然にも彼の誕生日(1月15日)を表すマレーシアの日付表記と同じでした。


鋼鉄のホイール
この旅は、決して楽ではありませんでした。毎日長距離を走っただけでなく、天候が過酷でした。タイの北部では、気温が最高で45度まで上昇しました。タイはそのとき、過去20年間で最悪の森林火災に見舞われており、煙と熱で息苦しい中を2人は走り抜けました。
国境を越えてミャンマーに向かう途中では、以前はのどかだったメーソットの小さな村の道路に苦しめられました。これまでにメーソットを8回通り抜けたことがあるダト・アナンドは、文字通り燃え盛るジャングルの中ハーレーを押しながら、当時冷たくてさわやかな森の空気を楽しんだことを思い出したそうです。
そのような苦難に遭っても、彼は走るのを止めませんでした。タフなライディングでしたが、それも経験の一部にすぎません。Harley Owners Group™の胸に残る情熱とサポートも、この旅の経験の大きな要素でした。


仲間と共に
H.O.G.™では、ひとりでライディングするということはありません。どの国のどの国境にも、ダト・アナンドとサンジェイを迎えてくれるH.O.G.ライダーたちがいました。あらゆるモデルや色のハーレーダビッドソンバイクが通りに並ぶ壮観な光景が、あちらこちらで2人を待っていました。
友愛は、ハーレーダビッドソンライダーの核となる原則です。出迎えて歓迎するH.O.G.メンバー達を見ていると仲間との繋がりがいかに重要であるかわかります。マレーシアからやって来たダト・アナンドとサンジェイを、各国のライダーは手厚く迎え、地元のスポットや風光明媚なルートを案内しました。2人はライダー仲間から十分すぎるほど快適なもてなしを受け、素晴らしいバイクと素晴らしいライディングを通じて絆を深め合いました。


行く先々でハーレーと出会う
ダト・アナンドのこの壮大なライディングは間違いなく記憶に残るものでしたが、彼にとって最も過酷なライディングだったわけではありません。遡ること2017年に、マレーシアからタイ、ミャンマー、ブータン、ネパール、インドを経由する12,000 kmの野心的なルートで、すでに6カ国を巡るライディングに挑んでいたのです。
この旅のほとんどの行程は狭くてぬかるんだ泥道を通る山岳地帯でしたが、6人の勇敢なライダー(そのうち5人はツーリングモデル)は、困難なライディングにもかかわらず、なんとかスケジュールどおりに走り抜けました。
しかし、ネパールではダト・アナンドの105th Anniversary Street Glideのショックベアリングが完全に故障するという悲劇に見舞われました。通行が困難な山道の真ん中で立ち往生してしまったのです。どんなに冷静なライダーでもパニックに陥りそうな状況でした。しかし、ダト・アナンドは平常心を失いませんでした。ハーレーダビッドソンのディーラーにたどり着きさえすれば、十分な対応が受けられるとわかっていたからです。世界における壮大なプレゼンスと、どこにいても顧客に提供されるサポートは、ハーレーダビッドソンブランドの強みです。およそ100カ国に1,400以上のハーレーダビッドソンのディーラーがあるので、たどり着けるディーラーが必ずあるはずです。
最も近いハーレーダビッドソンのワークショップは400 km離れたニューデリーにありました。インドの国境を越えてバイクを運ぶために、2台の大型トラックと2晩の行程が必要でした。ダト・アナンドはニューデリーのCapital Harley-Davidsonと絶えず連絡を取り合いました。2日後の午後5時に到着すると、5人の主任級が揃うチームがバイクを点検修理するために待機してくれていました。彼らは2時間も経たぬうちに問題を診断し、わずか12時間で解決して、Street Glideを入念に洗ってピカピカにしてくれました。
「ハーレーダビッドソンディーラーのすべてのワークショップが、米国本社から直接トレーニングを受けているんだ。だから、どこでも同じサービスが受けられる。バンコクでは、バイクを点検してくれるうえに、洗ってくれるんだよ!」とダト・アナンドは率直にそう話します。
翌日の午前5時には、最終目的地であるニューデリーのマレーシア大使館に向かっていたグループに追いつく準備が整いました。そこで、マレーシアのムルデカ60周年を祝うことになっていたのです。回り道をしたにもかかわらず、ダト・アナンドはディーラーのライダーたちによるエスコートで、無事お祝いの輪に間に合うことができました。


友愛が織りなすライフスタイル
絆の出発点はバイクです。ハーレーダビッドソンのライダーにとって、モーターサイクルは国境や信条よりも優先されるものです。ダト・アナンドは、そのことを身をもって経験してきました。「H.O.G.のメンバーは本当に素敵な人たちだ。韓国でもそうだし、バンコクでもそうだ。ミャンマーでもカンボジアでも変わりはない。誰もが一緒にライディングしてくれる。このコミュニティはとてもパワフルなんだよ」
コミュニティの友愛は温かくて親しみ深く、どの国のH.O.G.も全力で互いをもてなします。ダト・アナンドのグループが他の国で受けたのと同様のもてなしを、ダト・アナンド自身もマレーシアを訪れるH.O.G.メンバーに対してしています。マレーシアの国境で出会ったバンコクのH.O.G.メンバーとは、ペナンからマラッカ、キャメロン、ベントンまで一緒にツーリングしました。
今後のダト・アナンドはというと、スローダウンするつもりはまったくないようです。アジアはハーレーにとっては小さすぎる大陸ですし、ダト・アナンドはさらに大きな夢を描き、もっと遠くまで走りたいと考えています。来年は、クアラルンプールからロンドンまで、なんと2万kmの走破に挑もうとしているのです。
そのあとはどうかって? きっと、ミスター・アニバーサリーは、道の続く限りどこまでも走り続けることでしょう。
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